30年間製薬会社で研究開発の業務を経験し、循環器用薬剤や抗がん剤の開発に従事してきました。また、製薬業界の諸活動に参画する機会にも恵まれ、人脈を広げるとともに、多角的な視点から物事を捉える経験を積ませて頂きました。2023年には前立腺がんを患い、がん治療を経験し、医療機器の発展や先進医療病院の経営を患者の視点から肌で感じることができました。治療の中では、主治医から体力維持の大切さを説かれ、食事や運動の重要性も実感しました。

 人生というのは健康な体を親から頂き、食事や運動をしながら成長し、そして、社会に参加します。しかし、加齢とともに体調が悪くなり、何らかの治療をうける場合があります。治療では薬物治療や外科治療が中心となりますが、病気にならないようにすること、すなわち、未病や予防に努めることが極めて重要です。高齢化社会を向かえ、加齢とともに心身が老い衰えた状態である「フレイル」も大きな社会問題となっています。フレイル予防のためにも、人生を通じて、食事・運動・社会参加を楽しむ姿勢が求められます。

 最近は、母の故郷である山陰に行く機会も増え、地域創生は日本の喫緊の課題であることも痛感しました。過疎化および高齢化が深刻である地域では、地域創生のためにも「地域医療」が重要です。医療の継続や介護の拡充を考慮し、「人間の生きがい」を踏まえた社会基盤の構築が求められると思います。この構築に貢献できるよう、医療経営士および健康マスター・普及認定講師の資格を取得しました。

 この度、これまでの薬剤開発およびガン治療の経験を生かし、皆様の“医療と健康を通じて生きがいのある生活を”をパーパスとした「株式会社さいとうコンシェルジェ」を設立しました。